育児・介護休業法改正と
フリーランス法対応
2025年から2026年にかけて、人事労務・業務委託管理に関する実務対応が重要になっています。本記事では、育児・介護休業法改正とフリーランス・事業者間取引適正化等法について、企業担当者が自社への影響を判断しやすいように整理します。
実際の法適用や必要な対応は、業種、企業規模、就業規則、契約内容、運用実態等によって異なる場合があります。
具体的な実務対応については、顧問弁護士、社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
既に公表した「2026年 法改正動向レポート」では、取適法、個人情報保護法・AI、カスタマーハラスメント対策、公益通報者保護法改正など、企業横断的に影響の大きいテーマを整理しました。
本記事では、その補足として、特に人事・労務管理と業務委託・外部人材活用に関係する2つのテーマを取り上げます。
| テーマ | 主な影響 | 特に確認すべき企業 |
|---|---|---|
| 育児・介護休業法改正 | 個別周知・意向確認、柔軟な働き方措置、介護離職防止、育児休業取得状況の公表対象拡大 | 従業員を雇用する全企業。特に、シフト勤務・長時間労働・多拠点展開企業 |
| フリーランス法対応 | 取引条件明示、報酬支払期限、ハラスメント対策、中途解除等の予告・理由開示 | 個人事業主・講師・IT人材・デザイナー等に業務委託する企業 |
(柔軟な働き方・介護離職防止・個別周知の強化)
育児・介護休業法改正により、男女ともに仕事と育児・介護を両立しやすくするため、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置、介護離職防止のための制度周知・意向確認、育児休業取得状況の公表対象拡大などが段階的に施行されています。
2025年4月施行の主な内容
- 子の看護休暇の見直し(対象・取得理由の拡大等)
- 所定外労働の制限の対象拡大
- 育児休業取得状況の公表義務の対象拡大
- 介護離職防止のための個別周知・意向確認等の義務化
2025年10月施行の主な内容
- 3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、柔軟な働き方を実現するための措置(複数の選択肢から選択可能な措置)を事業主が用意
- 措置の個別周知・制度利用の意向確認
- 妊娠・出産申出時等における仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取(義務)・配慮(配慮義務)
🔴 強く影響
🟡 影響可能性あり
- 育児介護休業規程・就業規則の改訂状況
- 個別周知・意向確認の運用フロー
- 管理職が制度内容を理解しているか
- 介護離職防止のための相談・周知体制
- テレワーク・時差出勤・短時間勤務等の運用基準
- 制度利用者の業務引継ぎ・代替要員確保の仕組み
(取引条件明示・支払期限・ハラスメント対策)
フリーランス・事業者間取引適正化等法は、個人で働くフリーランス(従業員を使用しない事業者。法律上の「特定受託事業者」。一人で業務を行う法人を含む)に業務委託を行う発注事業者に対し、取引条件の明示、報酬支払期限、募集情報の的確表示、育児介護等と業務の両立への配慮、ハラスメント対策、(6か月以上の継続的取引における)中途解除等の事前予告・理由開示などを求める法律です。
※発注事業者の資本金規模、委託期間、継続的取引該当性等により、適用される義務内容が異なる場合があります。
取引適正化に関する主な義務
- 業務委託時の取引条件を書面または電磁的方法で明示
- 給付受領日から原則60日以内の報酬支払
- 継続的取引における受領拒否・報酬減額・返品等の禁止
- 不当な給付内容変更・やり直し要求の禁止
就業環境整備に関する主な義務
- 募集情報の的確表示
- 育児介護等と業務の両立への配慮
- ハラスメント防止方針の周知・相談体制整備
- (6か月以上の継続的取引における)中途解除等の事前予告・理由開示
🔴 強く影響
🟡 影響可能性あり
- 個人事業主・一人法人(従業員を使用しない法人)への業務委託の有無
- 取引条件明示書・業務委託契約書の整備状況
- 報酬支払期限の管理フロー
- 継続的取引における禁止行為リスク
- フリーランス向けハラスメント防止方針の周知・相談体制整備
- (6か月以上の継続的取引において)中途解除・契約不更新時の事前予告・理由開示対応
育児・介護もフリーランス対応も、書式整備だけでは足りません。実際に周知・説明・相談対応・記録保存が行われているかが重要です。
制度を知らない管理職が、制度利用を抑制する発言をしたり、フリーランスに不適切な対応をしたりするリスクがあります。
個別周知、意向確認、取引条件明示、中途解除の予告・理由説明などは、後日確認できる形で記録化しておく必要があります。
📚 主な参考資料・一次情報源
※各資料の詳細・最新情報は各省庁の公表情報を直接ご確認ください。本記事は2026年5月20日時点の情報に基づきます。URLは確認時点のものであり、省庁サイトの改修等により変更される場合があります。
1|育児・介護休業法改正2025年4月・10月段階施行
2|フリーランス・事業者間取引適正化等法令和5年法律第25号/2024年11月1日施行
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